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楽曲に秘められた物語へ

Updated: Nov 4, 2023


こんにちは! ViolinのErikaHanamuraです 今回のリサイタルでヴァイオリン 屈指の名曲の数々をお届けできるのを 大変嬉しく思っています

主な曲目の背景には 重大な出来事 作品のもとになった小説 や詩がありますので 少しずつご紹介できればと思います まずはモーツァルトの ヴァイオリンソナタホ短調K304 この音楽にはモーツァルトの母への 愛情と祈りがこめられ  天上の美しさが感じられます モーツァルトの母アンナマリアは 1778年夏モーツァルトのパリの旅に 同行中病気にかかり やがて天に召されました 父レオポルトにあてた手紙には 事実をいきなり知らせることなく 母の状態がよくないとだけ書きました 父や姉の悲しみを想像すると  突然本当のことを伝えることが できなかったのです そして親しいヨーゼフブリンガー 神父へ 友よ私と一緒に悲しんでください! 今日は私の生涯で一番悲しい日でした 母は私の愛する母は もういないのです!  父にこの悲しい知らせを受け取る 心構えをさせるように そして どうか父を支えてやってください と手紙を書きました パリで母を宿に残して演奏会や諸々出かけることが 多かったモーツァルト もっと一緒にいてあげられたら と後悔したでしょうか 存分に泣いた後は 元気を出さなければと 自身にも言い聞かせ 父に事実を知らせる 2通目の手紙にも そのように慰めと 励ましを書いています このソナタにはモーツァルトの想いが こめられているのがその音楽から 伝わってきます この曲の最初は短調で始まりますが  ときおり光に包まれた響きも 浮かび上がります もはや届けることのできない 愛情を胸に

思いもよらず急に 天に導かれた母を見守り 祈る日々を過ごしていたことでしょう このソナタの  第2楽章のメヌエットは 一度聴いたら忘れられないほど 哀しく美しい旋律です 第一楽章と同じホ短調で始まり 次に陽の光の調性になります そして再び短調となり  嘆きの半音進行を経て  ため息から ホ長調に転じた展開部は この曲の最も印象的な場面のひとつで 温かく天上的な響き 静かな祈りを湛えています




















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